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投稿日:2005-10-31 Mon
もう十月も終わる云うのに、紅葉
「ことしゃあ、いつまでも熱かったけぇ遅れとるんよ。」とお隣さんが塀越しにのたまう。
そいでも夜明けは遅いし日暮れは早い。

裏庭の柿

この柿の木は、実家の亡父

昨年の台風のお陰で干し柿をつるす所が無うなったけ、わたしは干さんことに決めとる。ほいでいつもの友達にあげるんじゃが、先ずお隣さんから・・・。
柿の色付きが遅いらしうて、もいでみりゃあ(採ってみたら)蔕のへんはまだ青いのがだいぶんあった。
やまんば 「まぁごめんよ、下から見りゃあ熟れとる思うたんじゃに。、まだちぃと青かったかねぇ…」
お隣さん 「せやぁないよ、(大丈夫よ)干したらええがいになるけぇ、(よくなる)ありがとね。」
やまんば 「いんねの、(いいえ)折角ここまでなったんじゃけぇ、誰ぞに食べて貰わにゃカラスに喰われるんが落ちじゃけぇ、おんなじなら人間サマに喰うて貰うんがえかろうがね。」
お隣さん 「そりゃまぁそうじゃねぇ、えらいことまぶれついて(鈴なり)実っとるねぇ。」
お隣さんはわたしと同い年、子供の頃の話になると、話題が尽きん。(もっとも同じ言を繰り返すけぇ・・・)
こうなりゃいちいちもがれんけぇ(ひとつずつ採れん)枝ごと折って弊越しに渡す。
お陰で二十三十はすぐに採れた。
やまんば 「ほんに(本当に)世話なしじゃねぇ、毎年こがいなけりゃええんじゃに(こうならいいのに)。」
お隣さん 「まぁ、そんとな欲う言うちゃいけまいでぇ、来年は休みかもわからんよ。」
やまんば 「エッ?うんうんそうそう、そうじゃね。」
初めから休みが解っとりゃ、春の防虫消毒せんでもええのに、実付きは夏じゃなけらにゃ解らん。いやいや人生一寸先は暗闇いうけぇそんとなことよりゃ、今この実りを感謝せにゃ・・・
やまんば 「早いねぇ、はぁ日が暮れる、まぁた夕飯せんにゃ。」
互いに急いで家のなかに入る。間もなしにそれぞれの家から、おかずの匂いが仄かに漂う。
今日もつつがなし、秋の日は落ちた。

裏庭の柿
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